SINGER SONGERはとてもユニークな形態の"バンド"だと思う。

メンバー全員、それぞれのホームがあるのにもかかわらず、ただ5人が音に惹かれ合って、レコーディングされたものを、鮮度が落ちないうちに、パッケージされた、『ばらいろポップ』。。。ほんと、今まで経験したきた事よりも、ただ5人が集まった瞬間の音を素直に伝えて、録れたてのまま、こうしてリスナーに届けられることは、何よりもうれしい限りです。

僕らは、昨年12月の中野サンプラザでのデビューライヴの後、1月にレコーディングのためのリハーサルを行う。Coccoはこの時点で、すでに、数多く の楽曲を書き下ろしており、みんなで、このカセットテープを聴きながら、アルバムに収録される候補曲をセレクト。この中には、アルバムでは収録されなかったCoccoによる多数の曲や、リハーサル中に生まれた、佐藤の詞曲書き下ろしの「悲しきベイブ」などもあった。10日間の合宿によるベーシックのレコーディングでは、笑いあり、涙あり、岸田の入院というアクシデントを経て、先行シングルとなった「初花凜々」も生まれた。その後、都内のレコーディングスタジオにて2週間、歌入れや、曲のアレンジ、いろんな楽器のダビング作業を行い、2月の終わりにようやく、このアルバムは完成する。

Coccoが歌い、岸田がハモる、ギターをかき鳴らす。佐藤もハモり、ベースをつま弾く。臺の原始なビートと、僕はほとんどふざけながらも、鍵盤に向かい合う。ただそれだけのこと。終わってみれば、曲は喜び、うれしそう。歌詞の内容はこのレヴューには割愛させていただいた。とにかく僕がいろいろ語るよりも、この6月に発売される、「ばらいろポップ」に触れるリスナーが、サウンドと同時にジャケットをひろげてくれることが一番でしょう。ぜひ楽しみにしていて下さい。

10/JUNE/2005 堀江博久 Finsbury parkにて


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『ばらいろポップ』堀江博久による全曲ライナーノーツ

SING A SONG〜NO MUSIC, NO LOVE LIFE〜(Album Edit)
SINGER SONGER結成のきっかけとなった1曲。この時のレコーディングで経験したことが、このアルバムの全てといっても過言ではない。音を出した瞬間、壁が取り払われ、なんといってもこの生き生きとしたサウンドが何よりもうれしそう。
ばらいろポップでは4分半でフェードアウト。マスタリング作業で、臺の手作業による絶妙なフェードアウトが施される。

ロマンチックモード
合宿レコーディング中にベーシックまで、一度録られたものの、ロマンチックに欠けるという理由から、もう一度都内のスタジオで、メンバー全員、顔を見合わせ、かなり盛り上がった状態で再録される。佐藤、岸田のコーラスも心地よい。ちなみに昨年12月中野サンプラザにて、演奏されたうちの一曲。イントロのキュイーンという音に岸田の入魂を感じさせる1曲。

雨のララバイ
合宿レコーディング前のリハーサルにて、岸田が詞曲を書き下ろす。今年の初め、堀江と岸田がよく好んで聴いていた、プロコル・ハルムの影響も少々うかがえる作品。

雨降り星
佐藤のフェイバリットソング。岸田のバンジョー、堀江のピアノ。臺と佐藤による小粋なリズムと男子の酔いどれコーラスに注目。

Come on you
岸田と堀江が、The WHOの「The Kids Are All right」のDVDを見ながら、それぞれのアレンジをふくらませ、臺のドラム、佐藤のベースがうねり、最もUK志向の強い一曲。

オアシス
昨年12月中野サンプラザにて、演奏されたうちの一曲。このときのCoccoの歌入れは、今でも記憶に焼き付いている。この瞬間に立ち会えたことを誇りに思うくらい、歌が素晴らしい。

Home
当初はアルバム収録予定ではなく、シングルのカップリング候補の1曲。「Baby, tonight」と同日に、都内のスタジオで録られる、堀江のフェイバリットソング。Coccoにとっては初の試みであろう、アコースティク・ギターと歌を同時に録った、ファーストテイクが採用される。

Millions of Kiss
SINGER SONGERのアルバムを作る際に、Coccoからメンバーに送られた、カセットテープの中の1曲目に入っていた曲で、岸田のフェイヴァリットソング。リハーサルの段階から、一番多く練習し、メロディーやら、テンポやら、とにかくサウンドを丁寧に積み重ねた。特筆すべきは、岸田の絶品のギターソロと掛け合う、Coccoのリコーダー。

Baby, tonight
これは、合宿レコーディング中に、作られた1曲。歌とピアノは同録。このテイクを逃したら最後と、Coccoと堀江は相当な緊張感でこの曲を臨む。実は昼に録られている。

初花凜々
合宿中にCoccoが書き下ろし、退院直後の岸田がコードアレンジを施す。軽快なテンポ感を損なわないまま、その日のうちに臺と佐藤がベーシックを録り、その後のダビング作業にもっとも時間をかけた秀作。浮遊するコーラスメロディー、チャーイニーズ風味のシンセサイザーのフレーズのアイデアは岸田によるもの。初めからシングルを意識して、初めてのSINGER SONGERを聴くリスナーを喜ばせようと、メンバー全員で意欲的に取り組む。なお、レコーディング中に、Coccoが描いた絵コンテを元に作られた、プロモーションヴィデオは必見。